利用者インタビュー:Nemielu 代表 松本 光浩氏


利用者インタビュー:Nemielu 代表 松本 光浩氏

世界的に見ても日本人の平均睡眠時間はとても短く、睡眠を削っての作業などをされる方も多くいます。しかし、睡眠をとることこそ、「ベストなパフォーマンスを保つのに大切な準備」と松本さんは捉え、個人だけではなく組織としても睡眠を大切にするべきであると訴えています。

今回のインタビューでは、睡眠の重要さに着目したサービスを展開している当センター利用者の松本さんに、創業のきっかけや思いなどを伺いました。

Nemielu 代表 松本 光浩氏

~プロフィール~
Nemielu代表。大学生の頃から睡眠指導や睡眠講義を開催。新卒で快眠グッズメーカーに入社した後、ECを中心にインターネットについて学びその後睡眠指導者として独立。自身がサッカーで全国大会に出場した経験などを活かし、スポーツ選手の睡眠指導やスポーツ団体への睡眠講義などを行う。一般の方に睡眠指導を行った際に、睡眠不足による大きな経済損失を一般の方の睡眠指導を行う度に肌で感じ、その社会課題を解決すべくNemielu(ネミエル)を考案。現在はネミエルの開発および運営を中心に活動している。日本睡眠学会正会員・日本睡眠環境学会正会員・睡眠コンサルタント(JAFA)・睡眠環境寝具指導士。

Nemielu HP:https://hp.nemielu.com/

現在の事業内容について教えてください。

日中の眠気を「眠いと感じているか」「パフォーマンスが低下しているか」という2点を主軸に定義し、評価し可視化することで睡眠改善に繋げていく企業向けのWebサービス「ネミエル」を開発、運営しています。これまで個人向けの睡眠指導をしていたのですが、本人の睡眠に対する努力だけではどうにもならない要因で睡眠不足になっている事例が多くありました。そこで会社や組織に対して「睡眠を大切にする環境作り」を提案し、睡眠の大切さを多くの人に知ってもらうサービスを展開しています。

創業しようと決めたきっかけは何ですか?

 学生の頃から「睡眠に関することがやりたい」という思いはありましたが、ずっとスポーツだけをやってきていたので、起業や独立は選択肢には入っていませんでした。ベンチャー企業に入社した際、新卒ながら会社の深いところまで色々勉強させてもらい、「個人で睡眠指導が出来ればいいな」と個人事業主として独立しましたが、個人で指導していく中で新たな課題が見つかり、法人を設立しようと思い至りました。その理由の一つが「個人間の指導だけではなく、組織から変えないといけない」ということで現在開発、運営をしている「ネミエル」の構想を思いついた時に、個人で出来るようなことではないと思ったことも大きいです。これまで1人で事業をやってみて「1人でも出来る事も多いけれど、1人では出来ない事も多い」ということや「頼れる人は多い」ということに気付きました。マネジメントの面白さなども見えてきました。

創業する際に大変だったことは何ですか?

一番はお金がないことですが、事務手続きなどには今のところ苦労はしていないと感じています。最も大変だと今感じているのは、「会社として動く」となると、チームメンバーに情報管理の重要性や目指す方向性、理念などを浸透させなければならないということです。業務委託で何名かの方にお願いをしている段階なのに、その難しさを既に感じているので、今後も大変になっていくかなと思っています。

新宿区を事業拠点にしようと思ったのはなぜですか?

電車の乗降数が世界一だったり、誰もがアクセスしやすい場所であったりということと、今活躍されている起業家の方のインタビューを拝見する中で、新宿で創業した方が何名かいて、自分も新宿を拠点に会社を大きくしたいなという気持ちからです。

高田馬場創業支援センターは、新宿区のビジネスプランコンテストに申し込みをした際、ファイナリストの副賞で利用料が免除されることを知りました。シェアオフィスの移転を考えている時期だったので、選考の通過を待たずに利用申請をしました。

今後の事業展開、ビジョンについて

現在開発している「ネミエル」というサービスにこだわるのではなく、「みんなに睡眠の大切さを知ってもらおう」「睡眠に悩んでいる人の問題を解決したい」という思いが強いので、この課題を解決出来るソリューションであればどんどん出していきたいと考えています。運動や食事も密接に絡んでくるものなので、「睡眠」を軸に置いてヘルスケアという分野で大きく広げていったサービスを今後も展開していきたいです。

僕は創業者や経営者こそ必ず寝なくてはいけないと思っています。経営層の一番大切な仕事というのは「判断すること」なので、「寝不足でその判断っていいの?」とならないことが重要ではないかと。「寝ている暇なんかない」とがむしゃらに頑張る起業家が多いですが、眠ることは「仕事をベストなパフォーマンスで行なう上での準備」と考えてもらえればいいなと。そういった観点からも睡眠を大切にしてくれる人を増やす為にも、僕が「しっかり寝ても成功できる」ということをロールモデルとして確立することが大切だと考えています。まずはその説得力の為にもしっかり寝て、そして事業を拡大させていきます。

創業を目指している方にメッセージをお願いします

起業するに当たって人の話を聞くことや繋がりを増やすことはもちろん大切ですが、「世の中に自分の考えや提供したい価値を届ける為には何をすべきか」、「今その事業をどうすべきか」をまずはしっかり考えることが重要だと思います。「何をすべきか」の手段は企業の中で働きながら出来ることなのか、創業して行なうべきなのかをしっかり考えてみてください。