北浦さんがお客さまに紹介をしている住居や施設は、多くがずっといる場所、また「人生の最期を迎える場所」という意味あいが強く、「居心地のいい環境」であることがとても重要になります。その為提案をするには地域に根付いた事業、お客さまとの深い関わりが大切です。そうして繋がった縁は広がっていき、事業内容を充実させていくと北浦さんは仰います。
今回のインタビューでは、「老人ホーム紹介」という枠にとらわれない関わりを持ってお客さまと地域を繋ぎ、地域貢献や活性化を目指している当センター利用者の北浦さんに、創業のきっかけや思いなどを伺いました。
IGOCOCHI株式会社 代表取締役 北浦 雄太氏
~プロフィール~
北海道苫小牧市出身。
駒澤大学法学部政治学科卒業。
特別養護老人ホーム生活相談員、介護付有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅管理者、有料老人ホーム紹介センター相談員、地域高齢者向けサロン運営を経て2021年7月創業。
これまで東京、神奈川、埼玉、京都、宮城にて1,000名以上の高齢者や障害者の居住支援に携わる。
エフエム熱海湯河原「熱海湯河原生き生きらいふ」企画。
IGOCOCHI株式会社 HP:https://igocochi.org/
現在の事業内容について教えてください。
高齢者、障がい者、外国人などの住宅確保要配慮者への居住のお手伝いをする会社です。主に老人ホームや障がい者施設、不動産屋さんとの間に入り、居住場所を斡旋するという形で年齢や障がい、言葉の壁を越えた居住支援を行なっています。他にも地域高齢者の見守り・安否確認・緊急時対応といった生活支援も始めました。
高齢者に関しては「地域包括支援センター」という相談窓口が各地域に設置されていますが、全然浸透していない現状があります。介護は突然必要になり、ご家族の方も準備が十分に出来ないまま始められるケースが多いので、面談を行い、状況を把握し、お相手に合わせて段階を踏みながら必要な情報を正確に提供することを心がけています。地域の資源とお客さまを繋ぐ役割がIGOCOCHIだと確信しています。
創業しようと決めたきっかけは何ですか?
大学卒業後、介護施設や老人ホーム紹介センターで仕事をしてきました。長年、様々な経験をしていく中で、介護保険制度や行政の決まりなどでは埋められない様々な課題が見えてきました。この課題解決にビジネスチャンスを感じ、家族や知人が背中を押してくれたこともあり、日本初の地域密着型居住支援法人を設立しようと決意しました。
創業する際に大変だったことは何ですか?
大変と感じたことはありませんが、今まで味わったことのないような責任を感じるようになりました。本当に日々勉強です。だからわからないことがあればすぐに聞けるというのが、センターの魅力ですね。一つ一つ聞くことが出来て助けられています。
新宿区を事業拠点にしようと思ったのはなぜですか?
一つは、新宿区は独居高齢者の数が全国平均をはるかに越えている、加えて23区内で最も多くの外国人がいらっしゃる、まさに住宅確保配慮者が非常に多い地域です。その新宿エリアで仕事をすることに魅力を感じました。
もう一つは、10年以上前から高田馬場で仕事をしていたので、取引先や知人が多いということです。
高田馬場創業支援センターについてはSNS広告で他区の創業支援施設を知り、私が活動している新宿区にはないかインターネットで検索して知りました。私の仕事は信頼第一なので、お客様への相談窓口の敷居を下げて、気軽に安心して来られる場所で始めたかったので利用を決めました。ここでの2年間は信頼感を獲得するための2年だと思っています。
今後の事業展開、ビジョンについて
住居や施設と繋ぐだけでなく、その地域の、特にご高齢の方の生活支援が出来る会社にしていきたいと考えています。お元気な時から関わりをもって、いざ介護や生活支援が必要になった時がきてもIGOCOCHIがあるから、施設入所やその後までフォロー出来る体制作りをしていきたいなと。その為にはコワーキングを上手く活用して、高田馬場だけでなく、新宿区の様々な場所に相談窓口を設置して、より地域に密着した、相談しやすい環境を作っていきたいと考えています。それが根付けば地域貢献にもなるし、活性化にもなるし、もちろん自分たちの利益にもなる。まずは会社を設立した新宿区内の人達を大切にしようと。そうやって拠点を増やしていって、いずれは全国でも同じように地域に根ざした展開をしていきたいです。
創業を目指している方にメッセージをお願いします
私は「よし俺が社長になるんだ」なんて思ったことがなく、全く自信がありませんでした。今では事業を始めて正解だったと思っています。今までにない物の考え方も出来るし、責任感もつくし、人との関わりや接し方を含めて、人間としても成長出来ていると思います。今は毎日が楽しいです。皆さん初めての事で、不安も少なからずあると思います。センターなどの支援を積極的に利用して「事業の成長、自分の成長」のために一緒に前進していきましょう。