利用者インタビュー:globe株式会社 代表取締役 河合 顕子氏


利用者インタビュー:globe株式会社 代表取締役 河合 顕子氏

これまで日本の茶文化を土台にした民間文化外交(「茶の湯外交」)を行う非営利法人の創業代表として日本と海外で活動をしていた河合さんですが、コロナの流行で海外渡航がストップしてしまいます。しかし、ここで立ち止まったことでこれまでを振り返り考える時間が出来、元々漠然と感じていた「非営利団体での限界」が整理され、起業を決めたそうです。

今回のインタビューでは、「非営利」と「営利」、それぞれの特性を活かした両輪で1つのビジョンを目指し活動されている当センター利用者の河合さんに、創業のきっかけや思いなどを伺いました。

globe株式会社 代表取締役 河合 顕子氏

~プロフィール~

名古屋出身。日本における政治マーケティングの研究(修士)、実務を経て、2012年に渡米。
ジョージワシントン大学ポリティカルマネジメント大学院修了(MPA)、2014年よりワシントンD.C.に本社を置く米国民主党系老舗の世論調査および戦略立案を行うマーケティング会社 Penn Schoen Berland(PSB)の国際政治チームに所属。
2017年春より当団体の前身となるお茶の取り組みを開始。名古屋商工会議所・海外展開アドバイザー。
趣味はゴルフ、バイオリン、日本酒。

globe株式会社 HP:準備中
桜茶meet HP:https://sakura-cha-meet.com/

現在の事業内容について教えてください。

1つはお茶の事業で、もう1つは政治マーケティング事業です。お茶の事業は、これまで非営利法人(日本法人:桜茶meet, 米国法人:Sakura Cha Meet)として取り組んできた文化外交事業から取り出した収益事業を出発点としています。また、政治マーケティング事業は、長期的には「後進を育てること」が主軸になりますが、短期的にはコンサルティングのような形でも現場に関わります。

利用者インタビュー:globe株式会社 代表取締役 河合 顕子氏

創業しようと決めたきっかけは何ですか?

以前より「非営利の限界」を感じていたことです。コロナを機に立ち止まってゆっくり考える時間ができ、様々な分野の多くの方とお話をし助言をいただく中で、「収益事業を取り出して起業しよう」と決心するに至ったからです。

創業する際に大変だったことは何ですか?

あらゆる物事を「ビジネスの発想」で考える習慣がなかったので、自分の頭の中をビジネスマインドに切り替えることに大変苦労しました。

新宿区を事業拠点にしようと思ったのはなぜですか?

現在、神楽坂に住んでいるからです。神楽坂の地は、茶文化にも政治にも縁のある地であり、弊社の事業内容に非常に親和性が高いと考えたからです。

今後の事業展開、ビジョンについて

お茶の事業に関しては、これまでに非営利として活動してきた米国、イスラエル、メキシコでは、富裕層や教養の高い層において「本格的な高級日本茶」に対する需要が確実に高まっています。しかし、日本茶よりも中国産や他国産による「偽宇治茶」等が普及しているのが現状なので、「日本に対して生まれている需要は日本が埋める」を目指し、茶産地と協働して実現していきたいと考えています。これは、販売促進だけでなく英語での情報発信の強化・日本茶に関する正しい知識の啓蒙活動等を含みます。

政治マーケティング事業は、「政治マーケティングという技術」を日本に広めていくことです。具体的には、「研究を通して実務者を養成していく研究室」のようなものを各種教育機関で開設・運営したいと思っています。学生だけでなく、社会人にも広く門戸を開放した機会となることを目指します。その実現に必須である博士論文にも現在は取り組んでいる最中です。

利用者インタビュー:globe株式会社 代表取締役 河合 顕子氏

創業を目指している方にメッセージをお願いします

自分が起業して一番ビックリしていろんな人におすすめしているのが「行政や商工会議所って意外とすごい使えるよ」というところです。起業するまでは余り期待をしていませんでした。新宿区の特定創業支援等事業についても当初の期待値は低かったのですが、実際に受けてみたら非常に丁寧に教えて下さって大変満足しました。