利用者インタビュー:株式会社アンドシー 代表取締役 平垣 早俊氏


利用者インタビュー:株式会社アンドシー 代表取締役 平垣 早俊氏

「独立創業することが若い頃からの夢だった」という平垣さん。これまでのサラリーマン時代に培ってきた経験や人脈を活用しつつ、こだわり抜いた自社ブランド製品をこのほど遂に完成させました。今後も自社ブランド製品を増やしながら、国内での販売を定着させていくための最初のステップに到達したと顔をほころばせます。

今回のインタビューでは、まさに夢の実現への一歩を踏み出された当センター利用者の平垣さんに、創業のきっかけや思いなどを伺いました。

株式会社アンドシー 代表取締役 平垣 早俊氏

~プロフィール~
商社勤務の時にブランド企画から販売までを行い、化粧品OEM会社(トレミー、プロテックスジャパン)では、営業に約10年間、プロジェクトのトップとして従事。
化粧品OEM受託製造工場会社との人脈と、商品企画や販売などの経験を活かし、スキンケア、ヘアケア化粧品から、メイクアップ化粧品にいたるまで、あらゆる化粧品を商品化することが可能。
新規取引先営業で、ファブレスの準大手化粧品会社の案件を何件も決めてきた実績から、売れる商品を企画し、実際のマーケットインまで行う。

株式会社アンドシー HP:https://andc.life/

現在の事業内容について教えてください。

アンドシーの自社ブランドとして美容関連商品を開発販売していくことを主軸に、並行して他社の化粧品づくりのお手伝いをする「化粧品OEM企画会社」をやっています。OEM企画製造に関しては、他社で断られたり商品化が難しい案件内容などが多いので、人脈の中でいかにご依頼主の想いに近い商品づくりが提供できるか応えさせて頂き、それが事業になっています。

自社商品については、歯磨きジェルと植物活力剤が商品として完成したので、現在販売するオンラインショップや卸営業の準備をしています。オンラインショップは「10歳若返る」ことをコンセプトに、主に自社商品を販売していきたいと思っています。

企画会社のメリットは、大きな受注数を一度に納品して一括でお金が入ってくることです。よほどのことがない限り返品はないので、企画会社の方が収入的にはかなり大きいのですが、自社ブランドの開発販売をメインにしていきたいという思いがあるので、まずは自社商品を国内で定着すべく、オンラインショップの立ち上げの他に、実店舗での販売やSNSを使って商品の認知度をあげることを考えています。こだわりぬいていい商品をつくったので、使ってもらえればわかって頂ける自負があります。今後は販売応援や販促物、広告などを導入することが第一歩かなと。自社ブランド、企画会社どちらにおいても人脈がすべての形で事業につながっていますので、これまでに培ってきたお付き合いを大事に、今後も更なる展開をさせていきたいと考えています。
&Cオリジナル商品の歯磨きジェルと植物活力剤

創業しようと決めたきっかけは何ですか?

独立自体は若い頃から最終目標としていました。以前にも一度仲間と創業を考えたことがあったのですが、当時は結果的に叶わず、以降も資金面や勝負できる商材という部分で折り合いがつかなかったため、サラリーマンを続けていました。その間にサラリーマンとしても行き着けるところまでいけたので、年齢的にはちょっと遅めですが独立することを決めました。

創業する際に大変だったことは何ですか?

やはり資金面が大変でした。マンションを売って資金にしたという経緯があります。また、高田馬場創業支援センターで相談をして、日本政策金融公庫にもすぐに紹介してもらい融資を受けることができました。これはやはり高田馬場創業支援センターを利用していたことが非常に大きいと思っています。

他には、「商品をつくる」ということはずっとやってきていたことですが、どれだけ慎重にやっていてもミスやトラブルがあり、当初予定していた以上に商品の完成まで時間がかかってしまいました。

コロナの影響は主に売上を期待していた企画会社の方に出ました。不況に強い化粧品業界でも、マスク着用が必須の昨今では厳しい状況です。弊社のような小さな企画会社は仕事自体が目に見えて減ってしまいました。こちらをメインに事業計画をしていたら大打撃だったと思います。私は自社商品の展開をメインに考えているので、最近ようやく自社商品が揃い、これからが勝負だと思っています。

新宿区を事業拠点にしようと思ったのはなぜですか?

創業するにあたって支援の形を色々調べていたところ、利便性の部分や施設面という部分で新宿区に決めました。今住んでいる一軒家の1階を物流センター兼倉庫にしていまして、そこに会社登記が出来ればベストではあるのですが、自宅で仕事をするより、誰かがいる環境で働く方が緊張感などがあって仕事が捗るので、高田馬場創業支援センターは自分の性格上仕事をするのに適していました。

今後の事業展開、ビジョンについて

まずは自社商品をオンラインだけではなく自社の実店舗展開もしたいなと。ただ、お店というよりは自動販売機などでの販売で全国展開したいと考えています。購入した商品は自動販売機で買っても、オンラインショップで買ってもポイントが連動出来るようなシステムまで構築したいという構想はありますが、これはまだまだ先の話にはなりそうです。国内販売をとにかく定着させることを目標に販路を広げていきたいです。

創業を目指している方にメッセージをお願いします

「創業」という夢を叶えるために失うものは多いです。私は長年住んでいたマンションを手放していますし、それ以外の生活もサラリーマン時代に比べるとかなり失ったことが多いと感じています。けれど夢を夢のままでは終らせたくないという想いから、今は大変ですが「楽しい」という思いの方が強いです。創業したことで出来なくなったことなどを「失う」と考えるか、「面白い変化」と捉えるか。創業するために必要な取捨選択を恐れない覚悟が必要だと思います。