利用者インタビュー:株式会社笑下村塾 代表取締役社長 相川 美菜子氏


利用者インタビュー:株式会社笑下村塾 代表取締役社長 相川 美菜子氏

相川さんが代表を務める「笑下村塾」は復業を推奨しています。復業は事業内だけでは見えない世界を見て、広い視野で仕事をするために有効な手段といいます。相川さんも週末にはカメラマンとして様々なジャンルの人と会い、話をすることで、事業に還元出来るヒントを得ることも多いそう。

今回のインタビューでは、「笑いで世直し」をテーマに様々な社会問題、時事問題をわかりやすく発信されている当センター利用者の相川さんに、創業のきっかけや思いなどを伺いました。

株式会社笑下村塾 代表取締役社長 相川 美菜子氏

~プロフィール~

1993年東京都生まれ。
慶應義塾大学環境情報学部を総代(いわゆる首席)で卒業。大学時代に内閣官房で首相官邸のwebサイトをわかりやすく改善するプロジェクトに参加したことをきっかけに、政治や社会問題を伝えることに関心を持ち、若者の政治に対する声を伝えるメディア「政治美人」を個人プロジェクトとして開始。その活動の一環で、大学の同級生だったたかまつななと出会う。
新卒ではリクルート住まいカンパニーにて雑誌編集やウェブサイト企画を経験。
笑下村塾代表就任後、2019年6月のリクルート退職までの10ヶ月間は”副業社長”として働く。

株式会社笑下村塾 HP:https://www.shoukasonjuku.com/

現在の事業内容について教えてください。

「笑いで世直し」というテーマを掲げていて、笑いを通して社会問題を楽しく伝えるということをしています。具体的には選挙の大切さやSDGs(持続可能な開発目標)などの社会問題を楽しくわかりやすく伝える授業を開発して、それをお笑い芸人さんが出張授業や企業研修などで実施しています。新宿区のビジネスプランコンテストを受賞したSDGsババ抜きは研修のワークショップの1つとして活用しています。

SDGsババ抜きカードゲーム

創業しようと決めたきっかけは何ですか?

笑下村塾は現役員のたかまつななが立ち上げたので私ではないのですが、元々私とたかまつが大学の時の友達だったので、創業当初から手伝っていました。代表という立場になったのは一昨年(2018年)のことです。

18歳選挙権がスタートするにあたって、若者、高校3年生でも政治や選挙のことをちゃんと学ばないといけないとなった時に、学校の現場では中々それが出来ないという実情がありました。そこで「お笑い芸人」というたかまつの立場を活かして全国の高校生に政治や選挙の大切さを伝えるという講演会を始めたことが創業のきっかけです。こうした活動を学生団体やNPOとしてではなく、持続可能な活動にして拡大していきたいと考えた時に、やはり株式会社にした方が利益を出しながら経営が出来るし、「ソーシャルビジネス」みたいなもののビジネスモデルを作るということにも価値があると思い創業しました。

創業する際に大変だったことは何ですか?

融資は受けていましたが、最初は人もお金もない中で会社をどうやって回していくかということが大変でした。講演先の学校などが出せる予算は本当に少なく、活動自体が利益を大きく生むものではない為、たかまつがメディア出演をした報酬などで何とかしていましたが、笑下村塾としての出張授業は大きく利益を生んでいなかったという課題がありました。

人材については、芸人さん仲間で共感してくださる方がいらっしゃったのでそういう人達が手伝ってくれたり、人を紹介して頂いたりしましたし、私たちは結構社会派なことをやっているので共感を生みやすく、求人的な意味ではやりやすかったと思います。ただ、やる気や思いの強さと「笑下村塾とマッチするか」は比例しないこともあります。ベンチャーとしてのスピード感も大事ですし、時事問題を扱っていると急な仕事がどうしても入るので、しっかり時間の取れる方だったり、柔軟に対応が出来る人じゃないとお互いストレスになってしまったりもするので。そういった配慮ができたり、ある程度根性がある人を集めるというのが大事だなと思いました。そのため私は「社会問題にある程度関心がある」ことに加えて「素直な人」を採るようにしています。私たちの事業に共感して課題意識を持って、それを解決したいと思っているというだけではなく、ベンチャーという雑用含め大変なことが多い事業の中では意思疎通が大事なので、素直さは必要だなと。

新宿区を事業拠点にしようと思ったのはなぜですか?

新宿御苑前にオフィスがあるのですが、新宿徒歩圏内なのに緑も多いですし、丸ノ内線で政府機関なども多い霞ヶ関方面にも行きやすいです。加えて四谷三丁目方面には一緒に仕事をするお笑い系の事務所が多いという利便性もありつつ、家賃もそこまで高くない。働きやすい場所だなということで選びました。また、たかまつの祖先が新宿の開拓に関わっていたため、新宿にはゆかりがあります。

今後の事業展開、ビジョンについて

大きくわけると2つあります。1つはYouTube配信を伸ばしていくこと。もう1つは今までとは違うテーマで事業内容を発展させていきたいと思っています。

コロナウイルスの影響でリアルな研修などが出来なくなった分、オンラインで発信するということに力をいれています。現在はたかまつが様々な芸能人の方や社会問題を語れる人と対談する動画を作っていますが、今後は事件やニュースの現場に行って取材をし、それも動画にして発信したいなと。若い人でも気軽に社会問題や時事問題、ニュースに触れることが出来るような番組をYouTubeで実現するということが目標です。

「今までと違うテーマ」に関しては、今だとWithコロナ、Afterコロナ時代の生き方や戦略というテーマなどの講演教材を作っておこうと準備をしている段階です。他にも性教育やジェンダーギャップ、お金の教育といった、大切だけど学校ではちゃんとは習っていないようなことを楽しく学べる機会を作りたい。いずれも生きていく上ではちゃんと学ばなきゃいけないことです。けれど学校ではカリキュラムにないから教えられないといった課題が生じています。

3月~5月の頃はリアルな研修などはキャンセルになっていましたが、私たち自身がオンライン研修をやれる会社だとちゃんと発信するようになったということと、クライアント企業側もオンラインでも研修をやった方がいいと決断することが増えてきたてきたためか、仕事も少しずつ戻ってきました。オンラインイベントだからこそ、全国の人が気軽に参加できるようになり、口コミがより広がるきっかけにもなっていると思います。また、参加者、登壇者の移動がない為、無駄な労力や移動コストを払わずに済み、SDGsの観点からも良いと良いと思います。今後はさらに双方向なコミュニケーションをオンラインでもとれるようなワークショップなどを取り入れていきたいと思います。

創業を目指している方にメッセージをお願いします

一番は「あまり人に流されるな」ということです。創業をしようとすると、優秀な学生や若者であればある程色々な投資や事業の話が集まってきます。皆さん様々な事を仰られるので、自分の軸というか、本当にやりたいことがわからなくなってしまう方は結構いると思います。それはすごくもったいないなと。自分がやりたいことだったりゴール設定だったり、どんな社会、未来を作りたいのかということをちゃんと固めて、常にそれに立ち返って経営の判断を出来るようにして事業をスタートしてほしいです。

笑下村塾も「社会の為に難しいことを楽しく発信する」というのがメインの事業ですが、「これやると儲かるよ」などのアドバイスを下さる方はやっぱりいまして。それはありがたいことではあるのですが、いざ始めてみると「本当にやる意義があるんだっけ?」とわからなくなって頓挫してしまったという経験があります。信念をちゃんともって始めてほしいなと思います。