OBインタビュー:株式会社Studio947 代表取締役 狩野祐東氏


OBインタビュー:株式会社Studio947 代表取締役 狩野祐東氏

デザイナー、エンジニアであると同時に、ITなどの技術書籍を多数執筆する狩野さん。出版不況といわれる中、多数の書籍で重版の実績がある人気著者です。大学卒業後、留学、就職、二度のフリーランス経験を経て、高田馬場創業支援センター利用期間中に法人設立を準備しました。教育機関が多い新宿区の立地を生かした人材確保が次の目標です。

株式会社Studio947 代表取締役 狩野祐東氏

~プロフィール~
【2016年2月高田馬場創業支援センター利用終了】
Web/アプリケーションUIデザイナー、エンジニア、テクニカルライター。大学卒業後アメリカ・サンフランシスコに留学、UIデザイン理論を学ぶ。Webサイトやアプリケーションのユーザーインターフェースデザイン、インタラクティブコンテンツの開発を数多く手がける。
主な著書に、『HTML5&CSS3デザインレシピ集』(技術評論社)、『確かな力が身につくJavaScript「超」入門』(SBクリエイティブ)、『スラスラわかるHTML&CSSのきほん』(SBクリエイティブ)など。
所在地:東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F
http://studio947.net/

創業しようと決めたきっかけは何ですか?

早稲田大学を卒業後、3年半アメリカ・サンフランシスコに留学し、UI(ユーザーインターフェイス)デザインを学びました。帰国後、留学時の同期に誘われ、Web制作会社で勤務することに。その1年後に動的なWebコンテンツを作成するソフトであるFlashの書籍を作るのでサンプルを作って欲しいという依頼を受け、それをきっかけに独立することにしました。しかし、会社員とは異なり、受注の有無で収入が大きく左右されるフリーランスの生活があまりに不安定で再度就職することに。ところがその会社で所属していた事業部の閉鎖などに遭い、3年間のブランクを経て再度独立することにしました。前回独立した際の経験や様々な転職活動をする中で、自分のスキルを生かし、仕事ができる環境を自分で作りたいと思ったのが動機です。

創業する際に大変だったことは何ですか?

仕事をしていく上で、人とのつながりをどう作るかは本当に大変で、今でも困っていることの一つです。IT関係の仕事が多いこともあり、人とのつながりがないと新しい情報や業界の動向が入ってこなくなります。そのため、常に人とどうつながるかについて考えています。他にも、創業すると考えることや悩むことはたくさんあります。事業計画書が書けないとだめなのか、何か新規性がある事業をしないといけないのか、事業規模が大きくなってきて人を雇う場合はどうすればよいのか、雇われる方に経験を積んでもらうにはどうしたらよいか。挙げだすとキリがありませんが、自分の中で折り合いをつけて前に進んでいきたいと思います。

OBインタビュー:株式会社Studio947 代表取締役 狩野祐東氏

初めての仕事はどのように獲得されたのでしょうか。

フリーランスとして初めて受注した仕事は、技術書籍のサンプルを作成することでした。きっかけは、今も仕事のパートナーである妻が自分の書いたイラストをホームページに掲載していて、編集者の方から発注の連絡が入ったことです。彼女に技術のことはわからなかったので、私がサンプルの作成と執筆を行うことになりました。本当にたまたまのことです。二度目に独立した際は、執筆の面では以前から間が空いていたので、編集者に対して出版企画の売り込みを積極的にしました。一度目に独立した時は受け身だったので、その反省を踏まえてのことです。一方、制作の業務面ではあまり営業をしておらず、知り合いの紹介を中心にやっています。

新宿区を事業拠点にしようと思ったのはなぜですか?

賑やかな街が好きで、留学していたときはサンフランシスコのダウンタウンに住んでいました。賑やかな街が近くて、土地勘があったということで、帰国後の住居を新宿区に決めてから、ずっと新宿に住み、新宿で仕事をしています。自宅が新宿区内なので、事業拠点も近くにしたというのが一番の理由です。あと取引先が多いということもありますが、フリーランスや起業家といった自分と近い立場の人と多く出会える空気感があることもいいですね。また人材を採用しようと考えているのですが、母校の早稲田大学が近くにあることも採用面でプラスだと思っています。

高田馬場創業支援センターを利用されていかがでしたか?

ひと言で言うと、非常に良かったです。創業して頑張っていこうとしている、自分に近い立場の人たちがいる。これまでにない刺激を受けました。同世代や同じ業界の人だけだと、視野が狭くなりがちですが、そうでない空間であることが良かったと思っています。また、創業する際には必要な手続きや知っておくべき制度がありますが、一人でやっていると、それらを知る機会がないわけです。そのようなことを知ることができる機会があることや、相談に乗ってくれるスタッフが常に身近にいることが良かったですね。

OBインタビュー:株式会社Studio947 代表取締役 狩野祐東氏

今後の事業展開、ビジョンについて

直近では人を雇用することです。以前は事業規模を大きくすることには全く興味がなかったのですが、長年一人でやっていると、一定の事業規模でないとできないことがあると分かってきました。そのため人材確保を急いでいます。事業内容としては、今取り組んでいることを拡張した事業内容を検討中です。ITの技術書籍を書いているので、コンピュータ関係の教育プログラム開発などを考えています。類似の取り組みも多いので、じっくり検討しているところです。

創業を目指している方にメッセージをお願いします

いわゆるクリエイターの業種は、昨今フリーランスとして独立しやすい環境が整っていると思います。ただ、独立することと、継続・発展させることとは根本的に違うと思っています。特にクリエイター業の場合、アウトプットの一部に「表現する」ことが含まれるため、作ったものに対する他人の評価が「自分の人格に対する評価」に聞こえてしまい、怖くて前に進めない時期が私にはありました。そういう怖さを振り切るタフさと、自分の道を自分で切り開く行動力が大事なのだな、と今は思っています。