高田馬場創業支援センター 施設長の田中です。
ベンチャーやStartupが創業する場所といえば、渋谷や六本木という印象をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
バーでパートナーと飲んでいて事業の話をしていたら、隣に座っていたのがベンチャーキャピタルの人で、そこから出資が決まり事業が大きく動き出した等の逸話があることや、多くの有名IT企業が集積することもあり、渋谷・六本木の優位性は揺るぎないものがあります。
新宿・高田馬場でベンチャーキャピタルの人が毎日飲んでいるという話を聞いたことはないのですが、実は渋谷・六本木とは違うポテンシャルがあるのではないかと感じ、「新宿・高田馬場がベンチャーやStartupの創業に適している理由」を下記にまとめてみました。
これからベンチャーやStartupの創業を目指す若い方や次の拠点を探している若い経営者の方の参考になれば幸いです。
(1)早稲田大学をはじめ教育機関が多く、若くて優秀な人材が多い
高田馬場といえば、早稲田大学。早稲田大学といえば高田馬場。すべてのキャンパスが高田馬場・早稲田エリアにある訳ではありませんが、相当な数の学生が高田馬場周辺に通学しています。特に西早稲田キャンパスには理工学部が立地し、エンジニア、プログラマを目指す学生の多くが高田馬場駅を利用していると思われます。もちろん、高田馬場駅周辺には早稲田大学以外にも多くの教育機関が立地しており、多くの若者が行き交うエリアとなっています。
ベンチャーやStartupが成長していく過程で、若くて優秀な人材をどう確保するかというのは重要課題の一つかと思いますが、近くに巨大な大学があるのは、大きなプラス材料になるのではないでしょうか。
(2)山手線、西武新宿線、地下鉄東西線のターミナル駅で交通アクセスがよい
高田馬場は上記の三路線が乗り入れるターミナル駅で、新宿、渋谷、大手町などの都心部へのアクセスが良好です。乗降客数もJR山手線(202,554人/日)、西武新宿線(196,613人/日)、地下鉄東西線(295,872人/日)と、都内でも有数の乗降客数を誇ります。
※数値はいずれも各鉄道会社2015年度発表の数値。いずれも一日平均。
また乗降客数が多い割には駅舎がコンパクトで、ホームから改札口(出口)までの所要時間が短いことも特徴の1つです。「駅から近い」と「電車を降りてから近い」という体験が一致する高田馬場駅。客先に出向くにも、来客を受けるにしても、事業を進める上で交通の便がいいことはプラス材料です。
(3)小さくて古いテナントビル(雑居ビル)が多い
もちろん、他のエリアにもあるとは思いますが、高田馬場駅周辺には小さくて古いテナントビルが多く立地しています。駅の利便性が高い一方で、テナントが古いため、賃料が相対的に安価であり、創業時のオフィススペースを確保するのに最適なエリアです。
高田馬場1丁目においては「高田馬場駅周辺地区まちづくり協議会」が発足し、再開発の計画が進んでいるようです。一方で高田馬場駅周辺のビルは、地権者が複数いらっしゃるビルも多いようで、建て替えなどの計画が進みにくいエリアとも聞いています。そのため、再開発エリアである高田馬場1丁目もすべてのテナントビルが建て替えになる可能性は低いのではないかと思います。また再開発エリアではない高田馬場2丁目から4丁目エリアは、引き続きこの状況が継続すると予想しています。
(4)安くて賑やかなお店からゆっくり話ができるお店まで、幅広い飲食店が立地
学生街のイメージが強いためか、高田馬場には学生向けの安い飲食店が多い印象があります。しかし、実は裏通りや神田川沿いなどには、ゆっくり話のできる飲食店も実は多くあるのです。幅広い飲食店が高田馬場にはあり、社内外のコミュニケーションを促進する際に、誰と飲むかでお店を選択できる環境が整っています。
また高田馬場の若い飲食店経営者には、下記リンク先の高田馬場新聞さんの記事のように、横の繋がりもあるようです。店に通ってるうちに、若い飲食店経営者から刺激をもらうこともあるかもしれません。新しい事業展開のきっかけが、夜起こることもしばしばです。ぜひ、高田馬場の夜をお楽しみください。
http://babashinbun.com/0181newjack.html/
(5)広いオフィスや大企業が多く立地する新宿駅エリアに近い
事業が拡大した場合には、より広いオフィススペースへの移転が想定されるかと思います。高田馬場から山手線で2駅、西武新宿線で1駅移動すれば、新宿や西新宿エリアです。近隣の駅に、受け入れ先となる大きなオフィススペースがたくさんあり、従業員や取引先に大きな負担を強いることなく移転が可能です。
また西新宿には大企業が多くオフィスを構えています。業種などにもよりますが、それらの大手企業と取引をおこなう、大手企業と連携を行うといった場合、オフィスが近くにあることは事業を進める上でアドバンテージとなるでしょう。
以上、本日時点で「新宿区高田馬場がベンチャーやStartupの創業に適している理由」として考えられるポイントをまとめてみました。
ベンチャーキャピタルからの出資を受けていないStartupやベンチャーも世の中には存在します。①内部留保を厚くし事業を大きくしていく、②資金調達は融資に限定して迅速な意思決定を図っていく、という事業展開をお考えの方には、新宿区高田馬場が創業の場所として向いているような気がします。
渋谷・六本木とは異なるポテンシャルのある新宿・高田馬場。ご自身のチャレンジする場所として、ぜひ新宿・高田馬場を選択肢の一つといて、ご検討ください。