利用者インタビュー:株式会社GIVER 代表取締役 佐久間 元気氏


利用者インタビュー:株式会社GIVER 代表取締役 佐久間 元気氏

「士業」ではその名のとおり「サムライ」のように一人で事務所を運営しているような方も数多くいる中で、佐久間さんは個ではなくチームで対応することで、創業期の企業が抱える課題を解決するサービスを提供しています。

今回のインタビューでは若い世代の創業期の企業へ向けた税務サービスを行っている当センター利用者の佐久間さんに、創業のきっかけや思いなどを伺いました。

株式会社GIVER 代表取締役 佐久間 元気氏

~プロフィール~
大手監査法人、準大手監査法人で上場企業を中心に、IPO準備会社、金融機関、公益法人など様々な企業の会計税務に関与。
3年間の実務経験を得て、26歳と1日で独立。
現在は士業のワンストップサービス、若い世代が利用しやすいことが特徴の税理士事務所・コンサル会社を運営。

株式会社GIVER HP:https://giver-tax.co.jp/

現在の事業内容について教えてください。

20代~30代の創業期の方を中心とした税務業務がメインです。他社との違いは税理士の料金で弁護士や社労士にも質問できるようにしています。10人以下の会社だと社労士さんや弁護士さんがついていないところが殆どですが、人を雇う時の手続きや契約書を作る時には必要になります。その時に個別に頼むと高くなるので、当社でまとめて質問を受けて、回答するというサービスです。他にもマーケティング的なアドバイスといった、税務以上のコンサルのようなこともしています。

チャットやオンライン会議・クラウドを活用して、若い人向けの運用をしていて、全国の顧客とスムーズなやりとりをしています。

創業しようと決めたきっかけは何ですか?

両親が会社員として朝から夜遅くまでずっと働いているのを見ていて、自分はもうちょっと自由に働きたいから起業したいという思いが漠然とありました。大学に入って会計士のことを知り、様々な会社を見ることができて、税金や経営学も試験科目にあって一通り学べるので、自分がいつか起業する時にも役立つだろうと勉強をして資格を取得しました。

会計士として独立するには3年の実務経験が必須なため、1年目は大手、残りの2年を準大手の監査法人に勤めました。実務経験の少なさを不安に思われる方もいますが、経験豊富な税理士さんを雇えば解決しますし、経営者が全てできる必要はないと考えています。労務、法務についても他の士業の方の力を借りているので、税務に関してもより詳しい人の力を借りてもいいと思っています。起業は3年目と決めて26歳の時にしました。自分一人の個人事務所ではなく、チームで動くというが今のスタイルになっています。

創業する際に大変だったことは何ですか?

そもそも日本の教育が会社員を育てるような仕組みになっているので、自分のマインドブロックを壊すのに多少なりとも時間がかかったと思います。いきなり独立をして売り上げが0で、経費だけかかって…というのが怖く、会社員時代に副業を始めました。そこで自信をつけたのが大きいと思います。

また、最初は軽い感じで友達となんとなく始めたのですが、うまくいかず3ヶ月位で解散することになりました。その時に業務の仕組み化や会社のビジョンの共有は時間をかけてやらないといけないと学びました。

新宿区を事業拠点にしようと思ったのはなぜですか?

現在早稲田に住んでいて新宿も近く、学生の頃から今でもずっとこの近辺で呑んだりしていたということもあり、いろんな人がステータス関係なく交流出来るこの街が好きで選びました。

センターは特定創業支援等事業を調べていて、対象になっている創業スクールから知りました。優遇措置だけならばスクールだけでもよかったんですが、家から近く、登記も出来るし、交流してビジネスも発展するので入居しました。

今後の事業展開、ビジョンについて

年齢の強みでも弱みでもありますが、やはり20代半ば~後半だと士業では経験値や知識量で上の世代の方には勝てないので、そういうところで勝負するのではなく、いろんな人を集めてやっていこうと思っています。

まずは安定したサービスを提供したいので、誰が抜けても同じ品質でサービスが提供出来るように従業員を10人まで増やすのがここ2~3年の目標です。その後は規模拡大するというよりも、AIに代替出来るところはどんどんAIにしていって、今はできていない別の事業をやろうと思っています。

直近で考えているのが小さな会社だと経理を雇うのも大変なので、税務業務だけでなく、請求書発行や支払いなど、経理業務をまとめて行うサービスです。他にも公認会計士の試験科目にある「管理会計」という考え方を使って、経営や意思決定に役立つような数字を出すコンサルをサービス化しようと思っています。

創業を目指している方にメッセージをお願いします

公務員や準公務員でなければ、まずは起業を意識して副業してみるといいです。副業だと一日2~3時間と短時間しか取れないと思いますが、事業所得を得る感覚を身につけて、生活費分程度稼げるのであれば起業への自信もつくと思います。あとは「目指してる」だけではいつまでも起業出来ないので、踏ん切りは大事だと思います。